最近ニュースなどで
「日経平均株価の暴落」、「ブラックマンデー以来最大の下げ幅」、「日本株乱高下」
などという言葉をよく目にします。
なぜそうなってしまったのか、これらについては色々なニュースや記事で主に以下のように説明されています。
①日銀の7月末サプライズ利上げ
②日銀総裁による「今後も日銀の見通し通りに日本経済が推移するなら継続的に利上げする。上限は過去の0.50%などで拘ってはいない。」のような発言
③アメリカの景気後退懸念再燃
私個人の感想ですが、③に関してはある程度前々(2022年秋以降)から悲観的シナリオの一つとして覚悟している部分があったので想定内だったのですが、①と②については驚きでした。
以下①と②について更に私の見解です。
①について
元々日銀は、利上げに関して
ドル円相場はあまり重視しておらず、日本国内における経済指標(実質賃金、物価上昇など)を重視していると認識してました。
また、2024年4月の日銀金融政策決定会合後の会見で総裁が
「足元の円安が基調的な物価上昇率に大きな影響を与えているわけではない」
というニュアンスの発言があったため(その後ドル円は円安方向にさらに動きましたが)
個人的には日銀はあまり為替(円安)を気にはしていないと思ってました。
そのような方針、姿勢が見えていた中で、4月~7月末にかけて更に円安が進行していきました。
一方で、日銀がケアしている物価上昇率は、その間、目立った上昇の形跡は見えませんでした。
そのような環境下で、政界からの円安是正などの発言も受けて、日銀の姿勢はいつの間にか私の気づかないところで変わっていたようです。サプライズでした。
市場的にもサプライズで捉えられています。
②について
①だけでも十分サプライズだったのですが、②の発言を受けて、私含めて市場は一層のサプライズを受けたようです。
通常株価は金利と逆相関の関係※があるので、日本でこれから金利を上げていくとなると、株価としてはマイナス影響になります。(この金利を今後更に上げる予定があると、サプライズで言われたら株価は下がりますよね)
ただ、金利を上げていくということは、本来は国内経済が活性化・過熱している、という状態も指すので、本当に国内経済が活性化しているのであれば、金利の逆相関の関係以上に企業の継続的な業績向上も見込めるのでトータルで株価は上昇するはずなのです。(いわゆる業績相場)
市場がこの辺りをどう受け取ったか詳細はわかりませんが、
個人的には、日本国内における経済指標(実質賃金、物価上昇など)がまだあまり強い数値を示していない中での①+②の発言だったと感じたので、その辺りが株価下落という形で表現されたのではないかと感じてます。
②の発言についてはその約1週間後に、日銀副総裁が
「株価が乱高下している、落ち着かない中での追加利上げはしない」
というニュアンスの発言があり、実質的に②の発言を一部修正したような形になったので、その後株価はやや落ち着きを取り戻したような印象です。
最後に
個人的には株価の乱高下、暴落というのはやはり好きではないですし、慣れないものです。
各国の中央銀行は市場と見解を合わせつつ、また経済は緩やかに活性化してほしいと思います。その結果、株価は緩やかに、着実に上昇していくと思います(と期待しています)。
※
金利が上がると、借金の利子が増えることになるので、企業(経済界)における借金(負債)を活用した設備投資、経済発展などにブレーキがかかり新規事業、雇用の創出などが減り、経済成長が減速する傾向にある